山下事務所 所員のブログ
税理士山下事務所の所員が持ち回りで日々の出来事を綴っていきます。
個人が、アパート、駐車場などの不動産を賃貸して儲けを出すと、「不動産所得」として所得税がかかります。
このことは広く知られていることだと思いますが、それが「事業的規模」であるか、「業務的規模(事業的規模以外)」であるかによって、税務上の取り扱いが変わってきます。

たとえば、事業的規模に該当すると、以下のような優遇規定が使えるようになります。
(1)青色申告特別控除が10万円から65万円になる
会計ソフト等を用いた複式簿記による記帳をし、貸借対照表を添付することが必要です。
(2)青色事業専従者給与が計上できる
事業的規模でない場合は、生計を同じくする親族に給与を支給しても、経費にはなりません。
(3) 資産損失が計上できる
老朽化した賃貸物件を取り壊した場合、その建物の未償却の残高は必要経費に算入できますが、事業的規模の場合はその全額を算入して赤字を計上することができます。
事業的規模でない場合は、不動産所得がゼロになるところまでしか算入できません。
赤字を計上すれば、その赤字は翌年以降3年間の所得と相殺できるので、この違いは大きいです。
(4)賃貸料の貸倒損失が計上できる
滞納家賃の貸倒損失は、事業的規模でない場合は計上できないので、税務署に更正の請求をしなければなりません。
更正の請求は請求期限がある上、確定申告に比べて手間も時間もかかります。
(5)小規模企業共済に加入できる
小規模企業共済は中小企業の経営者の退職金のような制度ですが、所得税や相続税の節税対策として非常に有効です。

さて、事業的規模になるかどうかは、通常、いわゆる「5棟10室基準」によって判断されます。
下記の2つの要件のいずれかを満たすと、「事業的規模」となります。
(1) アパート等については、貸室数が10以上であること。
(2) 戸建ての家屋については、5棟以上であること。
戸建ては1戸につき2室と換算するため、戸建て2戸と、6部屋のアパート1棟を賃貸している人は、10室と換算され事業的規模になります。

なお、貸地や駐車場については明確な規定がありませんが、実務上は、貸地は5件で1室、駐車場は5台分で1室と換算される場合が多いです。そのため、駐車場だけで事業的規模になろうとすると、50台分以上が必要になります。

そして、これらはあくまで形式的な基準で、これらの場合に準ずる事情があると認められる場合には、事業として行われているものとされます。(所得税法基本通達26-9)
国税不服審判所の裁決事例(平19.12.4、裁決事例集No.74 37頁)では、
①営利性・有償性
②継続性・反復性
③自己の危険と計算における事業遂行性
④精神的・肉体的労力の程度
⑤人的・物的設備の有無
⑥貸付けの目的 
⑦賃貸人の職歴・社会的地位・生活状況等
を総合的に加味して判断するとされています。

例えば、テナント数が7~8件の貸しビルであっても、そこからの収入が数千万円にのぼり、かつその管理業務に相当な時間と労力を費やしているような場合であれば、事業的規模と認められる可能性があると思われます。このような場合は、税務署との個別の相談によることになると思います。

柳下

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